さふらん便り 第86号 理事長 挨拶

さふらん便り                理事長 島 しづ子

 みなさま、さふらん会を見守って下さりありがとうございます。

私は理事長の役目の一つとして、名古屋教会牧師の田口博之先生と毎月一回づつ、さふらん生活園、ヨナワールドの朝の礼拝メッセージを担当させて頂いています。5分ほどのメッセージですが、ハードルの高い仕事(?)です。

 

与えられた聖句を考え、メンバーさん、アシスタントの顔を思い浮かべながら、内容を考えます。

 

1月は「あなたがたは、以前は暗闇でしたが、今は主に結ばれて、光となっています。光の子らしく歩みなさい。」(エフェソ書4章8節)でした。

 

「自分がそのように歩んでいるかしら」でなお、ハードルが上がってしまいます。はあ、メンバーさんにどうお伝えしようか? 

 

教訓的な話はしたくないし。

 

悩んでいた時思い出したのは、1992年にジャン・バニエが藤田保健衛生大学病院の小児科病棟で話してくれたお話しでした。

 

入院中のこどもたち、ドクター、看護師さんを前に。

ジャン「みんな、自分が素晴らしいってこと知ってる?」

 

こどもたちは首を振りました。

 

ジャン「残念だなあ!君たちが素晴らしいってこと誰も教えてくれなかったの?」

 

「うしろにいる看護師さんのことは好き?」こどもたちは正直に首を振りました。

 

「そうか、おうちの人のことは好き?」うんうんとうなずくこどもたち。

 

「おうちのひとはみんなのこと大事にしてくれるから好きなんだよね」

 

「大事にされると嬉しいよね。うしろにいる看護師さん達もみんなから大事に思われたいんだよ」と言いました。

 

こどもたちはぽかーんとするし、私はあわててしまいました。

 

なぜならジャンに「看護師さんたちがこどもたちに優しくするように言ってほしい」と頼んでおいたからです。

 

「反対、反対」と心の中で思いましたが、ジャンが語った意味は後に理解できました。

 

看護師さんに「こどもたちに優しくしなさい」と言うよりも、そんなこと百も承知なのに、それが出来ない看護師さんの日々の葛藤や苦しみをジャンは知っていたのです。

 

見当はずれの文句や過労で疲れている看護師さんに必要なのは

「ありがとう。看護師さん、わたしたち看護師さんが大好き!」

という周囲の言葉や態度だとジャンは理解していたのです。

 

そしてジャンは続けました。

「みんなが素晴らしいのはね、目の前の人を大事に思うことができる。

 

『あなたは大事な人です!』って思うとね、

目も手も『あなたは大事な人です』ってお話するんだよ」と言いました。

 

 

「光の子らしく歩みなさい」をこの話を紹介して語り終えました。

メンバーさんは協力的に良く聞いてくださいました。

 

特に「みんな、大事にされると嬉しいよね」と私が言った時、幾人かの俯いていた人が顔を上げ、私をしっかり見て、頷いてくれました。

 

すべての人の願いがこれです。

大事にしあって過ごすために、お互いに関心を持ち

互いの苦労を思いあって過ごしたいと思ったことでした。